憲政の父・尾崎行雄に学ぶ「一票の価値」

11月28日付の「INPS Japan ニュース」に記事が掲載されました。

「INPS Japan」は、International Press Syndicate(INPS)メディアグループの日本支局として、IDN(InDepthNews)及びINPS提携メディアの日本語版ニュースを配信しています。コマーシャリズムに左右されない報道、世界の「声なき声」、国連・市民社会の動向を伝えることを基本方針とし、多数の分析記事を掲載。おもに国連・NGO、各国の大使館・政策決定者に読まれています。

INPS Japan ニュース(2016.11.28)
 → 憲政の父・尾崎行雄に学ぶ「一票の価値」


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憲政特別展「普通選挙をめざして」内覧会

11月9日から12月2日まで、憲政記念館の特別展「普通選挙をめざして―犬養毅と尾崎行雄」が開催されています。

その初日(9日)に行われた内覧会に出席しました。
超党派の国会議員がご列席の中、当財団会長でもある大島理森衆議院議長はじめ、佐藤勉衆議院議院運営委員長などによるテープカットが、憲政記念館の花島克臣館長の発声により執り行われました。

出席者一同が2階の展示室に移動する際には、加藤祐一副館長が、当財団所蔵の蓄音機で尾崎の演説レコードを聴かせるという素敵な演出もありました。

特別展では恒例となっている「ミニシアター」。
普通選挙に向けた犬養と尾崎の取り組みを軸に、わが国の議会政治の歩み、デモクラシーの歴史が、貴重な写真・映像を織り交ぜて紹介されています。また、展示コーナーも、これまであまり公開されていなかった貴重な遺品や歴史文書があり、こちらも見応え十分です。

また、1階の「尾崎メモリアルホール」には、着席型の「特別映像コーナー」が設置され、尾崎行雄のDVDを常時ご覧頂けます。

そして、ロビーと展示室を結ぶ通路にも、「ミニ特別展示」が! 
一つは、去る10月28日に「尾崎財団設立60周年・感謝の集い」でスクリーン上映した『尾崎財団60年の歩み―創造と継承そして未来へ』のDVD上映。
もう一つは、同じく「感謝の集い」で会場に掲示したパネル十数点(=建設当時の「尾崎記念会館」「時計塔」「尾崎行雄像」など)の展示。

メモリアルホールの映像コーナーも、こうしたミニ特別展示も、すべて、憲政記念館のお取り計らいによるもので、尾崎財団としてはとても有り難く、喜んで協力させて頂きました。

今年は、尾崎財団にとって「設立60周年」という節目。また、日本の選挙にとっても「18歳選挙開始」という節目。この年に、改めて「犬養毅と尾崎行雄」を憲政記念館が取り上げ、さらに、同館と財団が一体となって企画展示が行われていることに、深い意義を感じます。

ご存じの通り、尾崎行雄は、多くの国民が民主主義を理解しないまま普通選挙を実施するのは時期尚早だとして、選挙権の拡大には否定的でした。しかし同時に、だからこそ民主主義の精神を根付かせようと、立憲政治・議会政治の在り方について、政府と国民双方に厳しく説き続けたのです。

尾崎行雄は、1920年の普選運動においても、また1925年の普通選挙法成立以後も、常に民主主義教育の重要性、特に若者の政治教育の大切さを訴えていました。民主主義は、制度をつくることよりも、その精神が国民に根付くことこそが重要だとする尾崎の信念を見て取れます。

今年の6月、尾崎の言葉・考えをもとにした拙著『18歳からの投票心得10カ条』が出版されました。それは、単に投票率を上げることを目的としたものではなく、「投票の質」を上げたい―尾崎の言葉・歩み・信念・生き方を振り返りながら、「一票の価値」を再発見・再認識してほしいという思いで書いたものです。まさに、この特別展「普通選挙をめざして」にも、そうした思いが込められているのではないでしょうか。

この特別展。12月2日までの期間中、ぜひ一度は・・・できれば二度、三度と繰り返し見て頂き、願わくは、拙著もあわせてお読み頂ければ幸いです。

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尾崎財団60周年「感謝の集い」御礼とご報告

去る10月28日、「尾崎財団設立60周年・感謝の集い」を憲政記念館にて開催しました。

当日は雨にもかかわらず、全国から150名を超える方々がお越し下さいました。
多くの国会議員・地方議会議員の皆様も超党派で駆け付けて下さり、また、憲政記念館の館長・職員の皆様にもご出席頂きました。
さらに、レソト王国臨時大使をはじめ、大使館関係者、国連関係者の皆様もお越し下さいました。

尾崎咢堂精神の普及、国際交流と青少年の人材育成に努める「NPO法人咢堂香風」(伊勢市)の皆様。
同じく咢堂精神の普及に努める「尾崎行雄を全国に発信する会」(相模原市)の皆様。
尾崎行雄と尾崎三女・相馬雪香の精神を受け継ぎ、途上国・被災地支援に取り組む「NPO法人一冊の会」の皆様。
そして、尾崎行雄の名のもとに超党派で集まり、より良き政治・社会の実現に向けて60年間を共に歩んできた会員・協力者の皆様。

この場を借りて、改めて、心より感謝申し上げます。

今からちょうど60年前、超党派の国会議員と民間有志によって設立された尾崎財団。
その4年後、衆参両院ならびに地方議会、財界・労働界・教育界の協力、そして天皇陛下からの御下賜金を賜り、国民的盛り上がりの中で建設された「尾崎記念会館」と「時計塔」そして「尾崎行雄像」。完成時には、各国政府・大使館から記念品が寄せられました。

超党派の国会・地方議会議員と各界民間有志、さらに大使や国連関係者と共に、尾崎行雄に思いを馳せた「感謝の集い」は、まさに60年前を彷彿させ、尾崎財団の原点を見ているようでした。

尾崎財団という「組織」。
憲政記念館(旧尾崎記念会館)という「建物」。
いずれも大事なものです。

同時に、そうした「有形のもの」だけでなく、(むしろそれよりも)その組織や建物を作った人たちの尾崎行雄に対する思い、また60年を経た今も、こうして集まる人たちの思いと情熱、そして尾崎行雄の精神・信念・生き方こそが、私たちが次代に引き継ぐべきレガシーだと強く感じています。

70周年、80周年、いや100周年に向けて、尾崎の精神と、尾崎に対する思いを、これまで以上に、皆様と一緒に伝え、広め、未来に繋いでいきたいと思います。

これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。


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相馬雪香さんとFAWA(アジア太平洋女性連盟)

アジア太平洋女性連盟(Federation of Asia-Pacific Women's Associations)――略して「FAWA」と言います。

尾崎行雄の三女・相馬雪香さんは、1950年、スイスで開催された国際会議に出席。そこで、フィリピンの上院議員ペクソン女史と出会います。かつて日本がフィリピンを占領していた頃、まだ若い娘さんだった女史は、日本を憎み、戦後も日本人を大変嫌っていたそうです。しかし、その国際会議で出会った相馬さんの言動に触れ、「日本の女性は変わった! 日本は変わる!」と感動されたそうです。

そして、1959年、相馬さんと女史が中心となって設立したのが「アジア婦人団体連盟」、現在の「アジア太平洋女性連盟」=FAWAです。アジアの女性の連帯を通じ、アジアひいては世界の平和の実現、女性の福祉向上を目的としています。

設立後は、各国・地域で、FAWA国際会議を2年ごとに持ち回りで開催しています。相馬さんは、韓国、台湾、グアム、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどで開催された同会議に団長として出席し、そこでの研究成果を取りまとめるなどしました。

FAWA国際会議は、日本では、1970年(神奈川)、92年(大阪)、2007年(東京)と開催されています。特に2007年(相馬さんが亡くなる前年)、東京で開催された会議では、アジアにとどまらず世界73カ国の代表と、広く一般市民も参加しました。相馬さんは、そこで大変力強いスピーチを行ない、参加者に大きな感動を与えました。

この時、会議に全面協力し、成功に導いたのが「NPO法人一冊の会」(大槻明子会長)です。相馬さんは当時、同団体の最高顧問を務めていました。以後、台湾(2010年)、グアム(2012年)、韓国(2014年)で開催された会議では、相馬さんの遺志を継ぎ、「一冊の会」が日本代表団を務めました。そして、今年9月末から10月にかけてシンガポールで開催されるFAWA国際会議にも、「一冊の会」が日本代表として参加します。

「憲政の父」と呼ばれた政治家・尾崎行雄。その精神を継ぎ、平和のために行動した相馬雪香。さらにその精神を継いだ様々な団体――「NPO法人咢堂香風」、「尾崎財団・咢堂塾」、「尾崎を全国に発信する会」、「NPO法人難民を助ける会」、「国際IC日本協会」等々が、それぞれの形で平和に貢献しています。

「平和、平和って言うけど、誰でも、最初から大きなことはできないの。できないことをウダウダ言ったってしょうがない。とにかく、できることから始める。自分から動く。そう、だから……身近なことでいいんですよ。少しずつでいいんです。あなたにできる平和から始めなさい!」(『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』より)

相馬さんの遺志を継いだ多くの仲間たちが、相馬さんの言葉を胸に、「できることから始めています。」


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尾崎が詠んだ「憂国の歌」

尾崎行雄が詠んだ歌は一万首にのぼると言われています。
妻や娘への愛情、季節の移り変わりや自然の美しさ、亡き友への追慕など、様々な歌を詠んでいます。

中でも、日本の政治・国のあり方に対する思いを詠んだ歌は、数も多く、「尾崎らしさ」がよく表れています。

権力に阿ることなく、弾圧にも屈せず、自らの信念を貫いた尾崎。
ゆえに、しばしば暴漢に襲われ、命を狙われた尾崎。
そんな尾崎ならではの「憂国の歌」。

以下三首は、1924年(大正13年)12月19日夜、尾崎を刺すため、尾崎宅に侵入しようとした青年が捕まった際に詠んだ歌です。

■「老い朽ちて世に惜しからぬ身とならば我を刺すべき人もあらじな」
■「國のため我を刺さんと人ねらふ活き甲斐のある生命なるべし」
■「國のため命惜しまぬ誠あらば我を刺すてふ人も貴し」

また、同月25日、今度は暴徒13名が尾崎宅に乱入した際に詠んだ歌です。

■「大御代につくす誠はひとしきを知らでや人の我に仇する」

次の六首は、1937年(昭和12年)第70議会で行った、いわゆる「軍部攻撃演説」の際に懐に忍ばせた辞世の句です。

■「正成が陣にのぞめる心もて我は立つなり演壇の上」
■「大君も聞こしめせかし命にも代えて今日なす我言あげを」
■「身をすてて國救はんと思ふにぞ老も忘れて演壇に立つ」
■「長らへし甲斐ぞありける大君の御楯となりて命すてんは」
■「國のため命すてんと定めしは幾度なりし一人指折る」
■「一つよりあらぬ命を幾たびか棄てて尚活く恵まれし身か」

ちなみに後日、次のような歌も詠んでいます。

■「都度々々に辞世よみしが尚死なず恵まれし身か呪われし身か」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誰が正しいかではなく、何が正しいか――。
自らの利害得失を顧みず、国のため、国民のために、文字通り命を賭して行動した政治家・尾崎行雄。
その信念と生き方は、いまを生きる私たち有権者・政治家に多くの示唆を与えてくれます。


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プロフィール

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
**********************

【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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