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2020年・尾崎財団 《御礼と活動報告》

日頃より多大なるご支援・ご協力を賜り、誠に有り難うございます。

今年は、新型コロナウイルスの影響により、当財団を取り巻く環境も大きく変化しました。特に4月以降は、事務局運営と事業活動の自粛により、当初予定していた講演会・イベント等が規模縮小や中止を余儀なくされました。そして今なお新型コロナ収束の見通しが立たない中、当面こうした状況を続けざるを得ず、引き続き会員・支援者の皆様にご心配とご不便をお掛け致しますことを深くお詫び致します。
活動の自粛・縮小が続く中、会員・支援者の皆様からこれまで以上に温かいご支援を頂き、2020年は以下の活動を行うことができました。役員・スタッフ一同、心より厚く御礼申し上げます。

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【咢堂塾】 
リーダー養成を目的に、尾崎行雄三女の相馬雪香と共に立ち上げた「咢堂塾」は、今年で22年目を迎えました。これまでに延べ615名が卒塾。国会・地方議会議員をはじめ、社会貢献・地域リーダーとして幅広く活躍しています。
今期は全国から30名(オンライン受講生含む)が入塾し、6月から12月までの期間、全14回の講義を終えました(2021年1月に卒塾式・演説会を開催予定)。
講師には、神保哲生氏、小川和久氏、北川正恭氏、池田信夫氏、高橋茂氏、飯田哲也氏、仲本光一氏、樋口恵子氏など各界を代表する専門家の方々をお招きしました。
塾生の皆さんは大変熱心で、講義を真剣に聴き、講義後のディスカッションも大いに盛り上がりました。
今年の咢堂塾は、コロナ感染防止の観点から、講師と塾生・塾生同士の距離確保、マスク着用と消毒・換気の実施、ライブ配信の試験的実施など、これまでにない形式での開催でしたが、皆様のご協力により、全講義を無事終えることができました。(※激甚災害に指定された被災地の塾生には、今年も協賛企業のご支援により無料で講義を公開しました。)
そして、2014年から実施し、今年で7回目を迎えた「咢堂ブックオブザイヤー2020」を、12月25日に発表しました。選考は、咢堂塾運営委員・研究員・役員が中心となって行っています。

【共催講演会/後援事業】 
隔月で開催している講演会(グローバルイッシューズ総合研究所と共催)では、7月に大庭誠司氏(元内閣官房内閣審議官・元消防庁次長)を迎え、新型コロナに対する国家の危機管理をテーマに、9月には吉崎達彦氏(双日総合研究所チーフエコノミスト)を迎え、米大統領選をテーマに、そして11月には、ロバート・エルドリッヂ氏やケント・ギルバート氏等を迎え、米大統領選とアメリカの今後をテーマにそれぞれ開催しました。
また、11月には「尾崎行雄を全国に発信する会」主催、当財団後援の「第18回尾崎咢堂杯・演説大会」が神奈川県で開催され、当財団理事の石田が審査員およびパネル討論会コーディネーター(パネリスト:石破茂氏、後藤祐一氏、丸山和也氏)を務めました。

【機関誌『世界と議会』の発行】
毎年「春号(4月)」「夏号(8月)」「秋冬号(12月)」を発行しておりますが、今年は活動自粛により春号を発行できず、「春夏号」という形で8月に発行しました。尾崎行雄、日本政治、国際問題等を取り上げた本誌は、国会図書館をはじめ公立図書館・公共施設および国会・地方議員等にも幅広く配布しております。

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当財団では、まさにこのような時代だからこそ、改めて尾崎行雄の信念や生き方を多くの方に伝えたいと考えております。
新型コロナの影響により活動面・財政面いずれも厳しい状況ですが、「このピンチをチャンスに」という思いで、新たな取り組みを模索するとともに、今できることに集中し、より一層、事業の質を高めるべく全力で取り組んで参ります。
引き続き、ご支援・ご協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

2020年12月30日

尾崎行雄記念財団
理事・事務局長
石田尊昭
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2019年 御礼とご報告

今年も、会員の皆様をはじめ多くの方々にお支え頂き、以下の公益活動(有権者啓発、人材育成、被災地支援)を行うことができました。当財団役員・スタッフ一同、ここに厚く御礼申し上げます。

【咢堂塾】
リーダー養成を目的とする「咢堂塾」も今年で21年目。これまでに累計590名が卒塾。国会・地方議会議員をはじめ、社会貢献に取り組む多くのリーダーを輩出しています。毎回、講師陣には各界のエキスパート、リーダーを招聘。この第21期は全国から23名(オンライン受講生含む)が集い、憲政記念館で毎月2回学んでいます。なお、被災地の受講生は、協賛企業・団体のご支援により受講料を無料としています。

【講演会】 
隔月で開催している講演会(グローバルイッシューズ総合研究所と共催)では、7月に選挙プランナーの三浦博史氏「参院選挙について」、9月に日本大学教授の安部川元伸氏「国際テロの現状について」を開催。また、尾崎行雄と政治・選挙をテーマに当財団理事の石田による出張講演を都内及び神奈川・三重・埼玉で計5回開催しました。

【咢堂塾20周年特別講演会】
3月に特別講演会を開催。講師は、衆議院議員の石破茂氏。テーマは「日本の進むべき道」。当日は定員を大幅に上回る参加者で大変盛況でした。講演内容は『世界と議会』夏号に収録しています。

【記念講演・懇親の集い】
8月に高村正彦・当財団理事長による理事長就任1周年記念講演「平成から令和へ―日本政治の未来」を開催。また10月に衆議院議長の大島理森・当財団会長による咢堂没後65年記念講演「議会政治の未来」を開催。両講演会には合わせて250名の方々にご参加頂き大変盛況でした。また、それぞれの講演会後に行われた懇親会も大いに盛り上がり、参加者同士が互いに交流を深めることができました。

【季刊『世界と議会』の発行】 
春号・夏号・秋冬号を計3500冊発行し、国会・地方議会議員、自治体、公立図書館、その他公共施設へ配布。尾崎行雄と日本政治、国会改革・外交問題などに関する論文や講演録は、議員や研究者をはじめ多くの皆様にお読み頂いています。

【被災地支援】 
記念事業ならびに各種活動の収益の一部を関連NPOを通じて被災地支援(物資・文具の寄贈/植樹活動等)に役立たせて頂きました。
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◆来年(2020年)は、議会開設130年の節目の年です。議会政治の父と言われた尾崎行雄の信念や生き方を広く伝え、これからの議会政治に役立つイベントを開催したいと思います。
 
◆また来年は、憲政記念館のリニューアル建替工事(2021年初旬着工予定)に向け、当財団の仮事務所設置の準備も進める予定です。詳細は改めてご案内致しますが、その際は、ぜひとも皆様のご支援ご協力をお願致したく、何卒宜しくお願い申し上げます。

憲政の父・尾崎行雄が説いた投票心得

尾崎行雄は、1890年の第1回総選挙から第25回まで連続当選し、衆議院議員を60年以上にわたり務めました。この当選回数と在職期間は、日本の議会史上、まだ誰にも破られていない偉大な記録です。

しかし、それは「尾崎が打ち立てた」というより、「有権者が打ち立てた」記録です。

国の存続・繁栄と国民の幸福のために立憲政治を命懸けで実現させようとした政治家・尾崎の生き方は、未来に大いに語り継ぐべきものだと思います。と同時に、地元に直接的な利益をもたらさなかった尾崎を、「国のために」という思いで国会に送り続けた当時の有権者の姿も忘れてはいけません。

尾崎行雄は、時の政府・権力と厳しく対峙しますが、同時に有権者に向けても厳しい要求を突きつけます。真の立憲政治・民主政治の実現のためには、有権者こそがしっかりしなければならないからです。

前回の参議院議員通常選挙が行われた2016年、私は『18歳からの投票心得10カ条』という本を書きました。この本は、政治や選挙と初めて向き合う若い人たちだけでなく、これまでの政治や選挙に慣れてしまった大人の皆さんにも、改めて民主主義の本質を見つめ直してほしいという思いで書いたものです。「投票率を高める」ことよりも「投票(一票)の質を高める」ことを目的に書きました。

この本には、尾崎行雄が説き続けた政党・議会・選挙のあり方、そして、尾崎が掲げた「有権者の投票心得(10項目)」を載せています。その中から、以下二つ、ご紹介します。

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(第1条)
 何よりもまず、自分はいかなる政治を希望するかという自分の意思を、はっきり決めてかかることが大切だ。選挙は、国民の意思を国政に反映させるために行われる。つまり、反映する本体がしっかりしていなければならない。有権者自身に政治的意思――どのような政治、どのような国・社会を実現したいと考えるのか――がなければ、いくら投票しても意味がない。

(第7条)
 演説会場その他あらゆる機会をとらえて、有権者は各政党または候補者に向かって、具体的な政策を明示するように要求しなければならない。そして政党本部で発表した政策と候補者の言質(げんち)を箇条書きにして、台所の壁にでも貼っておき、実行された公約の上には○をつけ、実行されなかった公約の上には×をつけるようにすること。公約を裏切った政党や議員に対しては、次の選挙の時に絶対に投票しないことを覚悟すれば、政党も議員も、完全に有権者によってリードされるようになる。

   『18歳からの投票心得10カ条』より
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この二つは、いずれも「当たり前」のことで、「心得」などと大袈裟に言うほどのものではない、と思われるかもしれません。しかし、この二つを私たちは確実に実行できているでしょうか。ついつい面倒臭くなって「思考停止」になることはないでしょうか。

選挙になると、政党も候補者も様々な政策を掲げます。
聞き心地は良いが実現性に乏しいもの、分かりやすいが具体性に欠けるもの、今の自分にとっては「お得」でも社会全体で長期的に見た場合は負担が大きすぎるものなどなど。

政策に対する有権者の厳しい目、厳しい問いかけが政治家を鍛えます。




皆様のご支援に感謝申し上げます。

2018年度が間もなく終了します。本年度も皆様のご支援により多くの公益活動(有権者啓発、人材育成、被災地支援)を行うことができました。
当財団一同、心より感謝・御礼申し上げます。
当財団の活動はすべて皆様から頂く年会費・参加費・ご寄付によって支えられています。
2019年度も、引き続きご支援ご協力のほどお願い申し上げます!

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【咢堂塾】
リーダー・人材育成の場「咢堂塾」。全国から集まった第20期生・27名が、去る2月卒塾しました。社会貢献を目指す学生や会社員、地域で活動するNPOや自治体職員、現職地方議会議員や議員を目指す人など、この20年間で延べ580名が咢堂塾で学びました。

【講演会/政経懇話会/出張講演】 
外交・安全保障・危機管理・テロ対策・防災等をテーマに共催講演会を7回、日本政治・民主主義をテーマに記念講演会を1回、海外邦人への医療支援をテーマに政経懇話会を1回、尾崎行雄と選挙をテーマに出張講演を7回開催し、多くの方々に情報発信することができました。

【尾崎行雄と相馬雪香の記念イベント】 
7月に「尾崎三女・相馬雪香没後10年の集い」を、10月に「尾崎行雄生誕160年の集い」を開催しました。延べ250名の方々にご参加頂き、尾崎行雄と相馬雪香の信念・生き方について共有・発信することができました。

【季刊『世界と議会』】
尾崎行雄・日本政治・外交などをテーマに、春号・夏号・秋冬号を計3500冊発行し、国会・地方議会議員、自治体、公立図書館、その他公共施設へ配布することができました。

【被災地支援】 
全事業収益の一部をNPOを通じて被災地の教育支援(鉛筆寄贈、植樹活動)に役立たせて頂きました。
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皆様の温かいご支援のおかげです。
本当に有り難うございました!


****** 第21期「咢堂塾」塾生募集中 ******
「異なる立場や主義主張にも耳を傾け、自分の思いを伝え、揺らぎながら信念を確かめていく。その繰り返しがあなたの根となり、幹となります。毎回行われる講義とディスカッションを通じて、大いに悩み、そして、揺れて下さい。咢堂塾は、保守・リベラルの区別なく、政治・社会のあるべき姿を真剣に考えるあなたを歓迎します。」(21期「咢堂塾」パンフレットより)
 → 第21期「咢堂塾」募集(尾崎財団公式ホームページ)
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尾崎行雄と相馬雪香

以下は、去る1月に都内で行なった講演の要旨(一部抜粋)です。
「尾崎行雄と三女・相馬雪香の信念と生き方」についてお話ししました。

◆民主主義の厳しさ
尾崎行雄が最も問題にしたのは、国民一人一人の在り方。1917年、尾崎は当時の政党に対し「感情やしがらみで結びつき、国の利益よりも党の利益に走っている」と批判した。あれから100年経ち、皆さんも記憶に新しい2017年秋の総選挙。尾崎が100年前に言った、しがらみ、利害、自分の当落のためだけに動く政治家が、今の日本にいなければ問題はないし、尾崎財団も必要ない。しかし一昨年、我々はまざまざと(その姿を)見せつけられてしまった。ただ、そうしたのは誰か?誰がそんな政党を作ったのか?尾崎に言わせれば「そんな政治家を選んだ国民にこそ責任がある」。これが民主主義。民主主義は、それを守るための努力と覚悟を我々一人一人が持っていないと、あっという間に後戻りをしてしまう。この民主主義の危うさを分かっていた尾崎は、とにかく有権者一人一人の在り方を厳しく説き続けた。このことを忘れてはいけない。そしてこの有権者に対する厳しい目、厳しい言葉は、相馬雪香にそのまま受け継がれている。

◆誰が正しいかではなく何が正しいか
尾崎行雄は、政府の不当な圧力や権力行使を批判したが、一方で国民に対しても厳しい目を向けた。これは、相手がどうこうではなくて、何が正しいかを考えたから。「誰が正しいかではなく何が正しいか」これは非常に重要なキーワード。あの人が言うんだから正しい、政府が言うんだから全部正しい…そう思った時点で思考が停止する。あるいは、国民が言うんだからすべて正しい。「民主主義だから国民の言う通りに動くのが政治の正しいやり方だ」とも尾崎は言わない。国民でも間違うんだということをちゃんと言える。権力に対しても、民衆に対しても、また自分の仲間に対しても、間違いを間違いだと言える。「誰が正しいかではなく何が正しいか」という姿勢が尾崎と相馬の中にがっちりと入っている。

◆自分の頭で考え抜く
尾崎は「憲政の神」と呼ばれた一方で、「国賊・非国民」とも罵られた。暴漢に襲われたり、命を狙われたりしたこともある。それを間近で見ていた幼い雪香は父に尋ねたことがある。「お父さんの言ってること、やってることは間違ってるんですか?」と。尾崎はこう答えた。「間違ってるかどうかは雪香さん、あなたの頭でしっかりと考えなさい」と。これも非常に大事なこと。我々は尾崎が言うから何でも正しいと思ってはいけない。尾崎が言うから、相馬が言うからではなくて、じっくりと自分の頭で考えて答えを出していく。この大切さを尾崎は相馬に伝えている。

◆尾崎行雄と相馬雪香の共通点
尾崎と相馬には4つの共通点がある。1つは、何事もあきらめない「不屈の精神」。2つ目は「日本を世界から孤立させないという信念」。3つ目は「出来ることから始めるという行動力」。そして最後は「物事を公正・公平に見る判断力」。本当に正しいかどうかは、その人の言ってる中身を、我々がきちっと自分の頭で考えなければならない。それがあって初めて国民一人一人の力が成熟し、大きくなっていく。まさに尾崎が厳しく説いた姿勢であり、相馬が自ら実践していった姿勢。さらに相馬雪香には4つの心があった。「本気の心」「純粋な心」「利他の心」「感謝の心」。この気持ちを、我々はしっかりと受け止めて、一人一人がそれを自らの行動に生かしていくことが大事。

◆人生の本舞台は常に将来に在り
尾崎74歳の時、高熱で病床に伏す中で浮かんだ言葉「人生の本舞台は常に将来に在り」。昨日までは訓練で、今日以後が本舞台。過去の知識・経験、悔いや悩みでさえも、未来に向けた糧であるという考え方。尾崎は95歳で亡くなる前年まで国会議員を務め、相馬雪香も96歳で亡くなる前年まで講演で各地を回っていた。尾崎も相馬も生涯現役、まさに「人生の本舞台」の実践者だった。我々もその思いで行かなければならない。過去の経験を生かしながら、常に前を向いて進んでいく。かと言って、遠くの理想ばかりをただ見つめているだけでは意味がない。現実をしっかりと見据え、目の前の一歩一歩を大事にして地道に取り組んでいく。その一つ一つを積み上げていった先に成功がある。尾崎や相馬を大事に思ってくださる皆さんと一緒に、この2人の信念と生き方を一人でも多くの人に伝えていきたい。これからも一緒に頑張っていきましょう。(了)


プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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