「国会議員の資格 十ヶ条」―尾崎咢堂言行録(6)
国会議員は立法を司る以上、政策的知見や立案能力があるに越したことはないが、同時に、政治姿勢として廉潔性(清廉さ)や責任感、モラルなども求められる。
以下は、尾崎行雄の唱えた「国会議員の資格十ヶ条」である。
選ぶ側の有権者も、選ばれる側の国会議員も、ぜひ参考にしてほしい。
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「国会議員の資格」
国会議員に重要な資格中、最も重要なるものの十ヶ条
(一)国会議員は広く内外の形勢を明らかにし、当世の事務に通ずるを要す。(これは政府の法律によって設定することの出来ない資格で、それは財産年齢などより重要である)
(二)国会議員は道徳堅固なるを要す。(これ自体に誰もが同意するが、世の人は金科玉条を軽率に看過するので、却って実行されないものである。実行こそ重要なことだと注意すべきである)
(三)国会議員は公共心に富むを要す。(これを如何に養成することが出来るかは容易ではないが、しかし、公共心の有無、厚薄が常に国家の盛衰興亡の原因となっていることから、この公共心の価値を知るべきである)
(四)国会議員は権勢に屈せざるの勇気あるを要す。(我が国では多年にわたり官吏を威張らした為、とかく官吏は人民を侮り、人民は官吏を畏れる傾向がある)
(五)国会議員は名利心の薄きを要す。(権勢に屈しない勇気があって、名利心薄くなければ毀誉の為に屈し、利害の為に迷うの憂いがある)
(六)国会議員は自説を固守するの貞操あるを要す。(間違った主義を持つと、全く無主義よりは優るとは、西哲の金言である。無主義の変改ほど無益なものはない)
(七)国会議員は独立の見識あるを要す。(独立した見識なく、恰も楊柳の風に靡くが如く誘わるるまま西に行き、東に赴く者多ければ、一定不変の進路を取ることも出来ない)
(八)国会議員は思慮周密なるを要す。(政令が度々変化して、朝令暮改が多いのは弊害が大きい)
(九)国会議員は穏当着実なるを要す。(過激の言論、痛快の挙動は避ける必要がある。過激粗暴の人は深く時勢民情を洞察することが出来ない)
(十)国会議員は多少の弁舌あるを要す。(充分に其の思想を説明するの弁舌を有しながら、妄にこれを使用せざる人物を選ぶべし)
以上、『欧米漫遊記』(1889年・明治22年)より抜粋
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以下は、尾崎行雄の唱えた「国会議員の資格十ヶ条」である。
選ぶ側の有権者も、選ばれる側の国会議員も、ぜひ参考にしてほしい。
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「国会議員の資格」
国会議員に重要な資格中、最も重要なるものの十ヶ条
(一)国会議員は広く内外の形勢を明らかにし、当世の事務に通ずるを要す。(これは政府の法律によって設定することの出来ない資格で、それは財産年齢などより重要である)
(二)国会議員は道徳堅固なるを要す。(これ自体に誰もが同意するが、世の人は金科玉条を軽率に看過するので、却って実行されないものである。実行こそ重要なことだと注意すべきである)
(三)国会議員は公共心に富むを要す。(これを如何に養成することが出来るかは容易ではないが、しかし、公共心の有無、厚薄が常に国家の盛衰興亡の原因となっていることから、この公共心の価値を知るべきである)
(四)国会議員は権勢に屈せざるの勇気あるを要す。(我が国では多年にわたり官吏を威張らした為、とかく官吏は人民を侮り、人民は官吏を畏れる傾向がある)
(五)国会議員は名利心の薄きを要す。(権勢に屈しない勇気があって、名利心薄くなければ毀誉の為に屈し、利害の為に迷うの憂いがある)
(六)国会議員は自説を固守するの貞操あるを要す。(間違った主義を持つと、全く無主義よりは優るとは、西哲の金言である。無主義の変改ほど無益なものはない)
(七)国会議員は独立の見識あるを要す。(独立した見識なく、恰も楊柳の風に靡くが如く誘わるるまま西に行き、東に赴く者多ければ、一定不変の進路を取ることも出来ない)
(八)国会議員は思慮周密なるを要す。(政令が度々変化して、朝令暮改が多いのは弊害が大きい)
(九)国会議員は穏当着実なるを要す。(過激の言論、痛快の挙動は避ける必要がある。過激粗暴の人は深く時勢民情を洞察することが出来ない)
(十)国会議員は多少の弁舌あるを要す。(充分に其の思想を説明するの弁舌を有しながら、妄にこれを使用せざる人物を選ぶべし)
以上、『欧米漫遊記』(1889年・明治22年)より抜粋
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