民主党・菅政権の正念場―権力闘争ではなく政策論争を
7月29日、民主党の衆参両院議員総会が開かれた。
先の参院選敗北について、菅首相は自らの消費税発言を詫びるとともに、改めて代表選への出馬と続投の意思を表明したが、それに対し、首相や執行部の引責辞任を求める声が噴出した。国会だけでなく、党内も完全に「ねじれ」てしまっているようだ。
「国よりは 党を重んじ 党よりも 身を重んずる 人の群れかな」……これは、尾崎行雄が昭和25年に詠んだ短歌だ。
今の民主党内における権力・勢力争いは、同党のみならず、国家・国民にとっても不幸な結果を招くだろう。
今回の総会は、結局、首相の消費税発言と執行部への批判に終始してしまった。参院選敗北の総括のために開かれたのだから、いたしかたないのかもしれない。だが、本来ならここで、民主党政権の理念と政策方針を再確認・再共有し、「ねじれ国会」に党一丸となって立ち向かう決意と覚悟を国民に対してもアピールすべきであったように思う。
首相の消費税発言を批判するのであれば、増税を口にした行為そのものよりも、その行為の背景にある、もっと重大な問題―つまり(首相本人が意識していようが、いまいが)財務官僚に籠絡されているのではないかという問題に切り込むべきだ。
「脱官僚」は、民主党政権が掲げる大きな旗印である。明治以降、基本構造を変えることなく続いてきた官僚機構―その自己増殖と自己保身という組織カルチャーが生み出した数々の無駄と非効率を排除し、国民本位の政治・社会を実現すること。一朝一夕には無理かもしれないが、常に挑み続けていかなければ、その旗は色褪せ、国民は離れていくばかりだ。
「脱官僚・政治主導」実現への第一歩として鳩山政権下で設置された「国家戦略室」。「室」から「局」への格上げが検討されていたはずだが、つい先日、菅首相は、「局」どころか事実上の「格下げ・機能縮小」を打ち出した。衆院選マニフェストの目玉の一つでもあった「国家戦略局構想」を、いとも簡単に、大した説明もなく棚上げしてしまう意図は何なのか。何のために、どこに向かって進もうとしているのか、菅首相の真意を知りたいものである。
民主党は今、党内で勢力争いをしている場合ではない。「脱官僚=国民本位の政治・社会の実現」を目指すとした党の原点に立ち返り、理念を共有しながら、「権力闘争」ではなく「政策論争」に大いに励むべき時だ。
菅政権のみならず、民主党自体も、今まさに正念場を迎えている。
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先の参院選敗北について、菅首相は自らの消費税発言を詫びるとともに、改めて代表選への出馬と続投の意思を表明したが、それに対し、首相や執行部の引責辞任を求める声が噴出した。国会だけでなく、党内も完全に「ねじれ」てしまっているようだ。
「国よりは 党を重んじ 党よりも 身を重んずる 人の群れかな」……これは、尾崎行雄が昭和25年に詠んだ短歌だ。
今の民主党内における権力・勢力争いは、同党のみならず、国家・国民にとっても不幸な結果を招くだろう。
今回の総会は、結局、首相の消費税発言と執行部への批判に終始してしまった。参院選敗北の総括のために開かれたのだから、いたしかたないのかもしれない。だが、本来ならここで、民主党政権の理念と政策方針を再確認・再共有し、「ねじれ国会」に党一丸となって立ち向かう決意と覚悟を国民に対してもアピールすべきであったように思う。
首相の消費税発言を批判するのであれば、増税を口にした行為そのものよりも、その行為の背景にある、もっと重大な問題―つまり(首相本人が意識していようが、いまいが)財務官僚に籠絡されているのではないかという問題に切り込むべきだ。
「脱官僚」は、民主党政権が掲げる大きな旗印である。明治以降、基本構造を変えることなく続いてきた官僚機構―その自己増殖と自己保身という組織カルチャーが生み出した数々の無駄と非効率を排除し、国民本位の政治・社会を実現すること。一朝一夕には無理かもしれないが、常に挑み続けていかなければ、その旗は色褪せ、国民は離れていくばかりだ。
「脱官僚・政治主導」実現への第一歩として鳩山政権下で設置された「国家戦略室」。「室」から「局」への格上げが検討されていたはずだが、つい先日、菅首相は、「局」どころか事実上の「格下げ・機能縮小」を打ち出した。衆院選マニフェストの目玉の一つでもあった「国家戦略局構想」を、いとも簡単に、大した説明もなく棚上げしてしまう意図は何なのか。何のために、どこに向かって進もうとしているのか、菅首相の真意を知りたいものである。
民主党は今、党内で勢力争いをしている場合ではない。「脱官僚=国民本位の政治・社会の実現」を目指すとした党の原点に立ち返り、理念を共有しながら、「権力闘争」ではなく「政策論争」に大いに励むべき時だ。
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