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「官僚主義を矯正する道」―尾崎咢堂言行録(31)

「官僚主導から政治主導へ」「脱官僚政治を!」――民主党が掲げてきた「旗」である。

当然ながら、スローガンだけでは意味がない。明確な目標・戦略を立て、実施体制の整備と具体的な工程表を…などと思っていたが、今や、スローガンすら叫ばれなくなってしまった。

「脱官僚」は「反官僚」ではない。官僚という装置を上手く操縦する、あるいは操縦しやすいように作り替えることであって、装置そのものを破壊したり手放したりすることではないはずだ。

震災や原発事故への対応で、もはや「脱官僚」どころではないと思われるかもしれないが、その対応そのものに「官僚主義の弊害」が色濃く出始めている。

復旧復興作業と、脱官僚作業は、同時並行でやるか、遠回りのようでも後者に力点を置く必要があるのではないか。

既存の装置を使いながら、装置自体を作り替えていく。――まるで福島第一原発のようであるが、その最前線の作業員は、文字通り命懸けだ。その気概と緊張感のひとかけらでも今の政治家にあればよいのだが…。

尾崎行雄は、真の政党政治を目指した政治家である。その一生は、軍閥・藩閥・官僚政治との闘いであった。

官僚主義を直すには、官僚そのものに焦点を当てるのではなく、議員が自らの地位の重要性を自覚し、国民の代表にふさわしい言行をしていくべきであり、そうした政治家を選ぶ有権者の責任もまた重いというのが、尾崎の主張であった。

議会人としての尾崎の言葉を、今の議会人にもぜひ噛み締めてみてもらいたい。
そして、「脱官僚」そのものは、もはや選挙の主要争点にはなりづらいかもしれないが、そうした視点も持ちながら次の政治家を選び育てていく姿勢も、われわれ有権者には必要なのではないだろうか。

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「官僚主義を矯正する道」

近来政党が腐敗したために、官僚が跋扈するといわれるが、政党の腐敗は、誰の罪であるかといえば、多くは政党員の罪ではなく、選挙民が悪いからである。官僚出身で、政党の首領になった人は政府にある間は多くは廉潔の士であった。それが政党に入ってくると、腐敗的仕事をするのは、選挙において多数を獲得するためには、やむをえないからである。…

行政部と立法部が、均衡を得ておらぬことも、政党腐敗の間接的原因であるとともに、官僚の跋扈を来す理由となっている。…従って官僚跋扈の弊を直すには、立法部の地位を高めて、国家は議員に対し、相当な待遇を与えなければならない。…

行政部のものは、立法部員に現在のごとき不均衡な待遇を与えるのを適当と考えてはならぬと同時に、世論民意を代表する立法部にあるものは、議長を始め大いに修養して自ら国家の重きに任ずるだけの言行をなさなければならない。議員自ら軽んずる以上は、いかに立法部を重からしめようとしてもこれを実現することは出来ない。

以上、『日本はどうなるか』(1937年・昭和12年)より

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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