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尾崎行雄・東京市長時代の功績

尾崎行雄といえば、国会議員としての取り組み(あるいは在職63年、連続当選25回といった記録)に注目が集まりがちですが、東京市長時代にも多くの業績を残しています。

尾崎の東京市長時代というと、当ブログのように「ワシントンへの桜寄贈」ばかりが取り上げられますが、実は、1903年から1912年6月の辞任まで約10年間、尾崎は、東京市のインフラ整備に大いに尽力しました。

上水道拡張、下水道工事、道路改良、街路樹植栽、港湾整備、東京市街鉄道の買収、ガス会社の合併等々…。

特に、多摩川水源林調査に着手し、市の水源林を買収確保したことは、その後の東京市の発展、市民の生活向上に大いに役立ちました。

2001年、東京都による「水道水源林100周年記念式典」が都庁で開催され、招待を受けた尾崎三女の相馬雪香さんに随行しました。その際、尾崎の水源地視察に同行された調査員のお孫さんや、地元ゆかりの方々にお会いでき、相馬さんも大変感慨深げでした。

2001年から100年前というと、1901年。尾崎はまだ市長ではありません。
というのも、「東京府」(現在の東京都)が御料林を譲り受けて営林事業を開始したのが1901年。
府にかわって「東京市」が水源涵養林経営を本格的に始めたのが、尾崎市長時代の1910年です。以後、民有林を順次買収するなどして面積を広げていきました。

東京市による水源林経営開始の前年(1909年)5月、尾崎市長は(現在の)奥多摩に水源地視察に行き、市の調査委員や顧問らと共に、延べ5日間の水源地踏査を行ないました。

実は先日、その地を初めて訪れ、泉水谷(せんすいだに)入口に設置されている「尾崎行雄水源踏査記念碑」を見てきました。車で行ったのですが、道路がある程度整備されているとはいえ、とにかく延々と山の中を入っていくといった感じです。当時はもちろん、こんな道などあるはずもなく、険しい山道だったに違いありません。そんな中を「踏査」したわけですから、その苦労は計り知れません。

今、何気なく使っている水、飲んでいる水も、こうした先人たちの努力があってこそなんですね。

ところで、インフラ整備=公共事業というと、なんとなく「汚職」という文字が浮かんできます。
当時、確かにそれまでの東京市会は「伏魔殿」と呼ばれるほど汚職や疑獄が蔓延っていましたが、尾崎は、そうした不正・腐敗の芽をつみとるべく、市政の隅々にまで厳しい目を向けました。その結果、尾崎の約10年に及ぶ在任期間中、東京市では汚職・疑獄事件は一度も起こらなかったそうです。


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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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