「人間は何のために生まれてきたか」―尾崎咢堂言行録(25)

「人生の本舞台は常に将来にあり」…。「昨日までは序幕(準備・練習期間)にすぎない。今日からが本領発揮の時だ」―いかなる時も前向きに、そして何事にも果敢に挑戦していこうとする尾崎行雄の人生観である。

では、何に向けて本領を発揮するのか?
何に挑戦していくのか?
何のために…。

以下は、尾崎が、政治家(公人)として、また一人の人間として出した答えだ。
そして、尾崎三女の相馬雪香さん(1912―2008)も、生涯現役を貫きながら、「利他の心」でこのことを体現した。

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「人間は何のために生まれてきたか」

読者の中には、必ず言うものがあろう。「人生の本舞台は、常に今日以後にありと思えというのは、面白いが、それより先に『人生の目的如何』という問題を決定しなければならぬ」と。いかにももっともな申し分である。

私はこの問題をば、各人の自由思量に任せるがよいと思う。宗教家は神意を遂行するために生まれてきたと信じてよかろう。愛国者は自分の国だけをよくするために生まれてきたと考えてよかろう。…

私のごとく、公人として一生暮らしてきたものは、自然に同胞兄弟の安全幸福を図るのが、人生の目的であり本領であると考えざるを得ない。しかし現在のごとく、地球が実質的に縮小し、往来交通が頻繁になり、列国の利害関係が、相互に錯綜してきた以上は、他国を害して、自国だけ独り繁盛することは出来ない。故に一家の幸福を増すためには、一国の幸福を増さなければならず、一国の幸福を増すためには与親国の幸福を増し、延いては全世界の幸福を増さなければならぬ。

私はいやしくも人間たるものは、自国はもちろんのこと世界人類のため各々その分に応じて、貢献すべきものだと信じている。これが私の見た人生の目的である。これは必ずしも犠牲的の貢献ではなく、正しき道を踏んで、自己の幸福を求むれば、自然にこの結論に帰着するのである。

以上、『人生の本舞台』(1935年・昭和10年)より

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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