「変化は悪化でも危険でもない」―尾崎咢堂言行録(28)

日本人は変化を嫌うとよく言われる。

しかし昨年の政権交代は、政治の閉塞感を打ち破りたい、政治・社会のありようをドラスティックに変えたいという民意の表れであったように思う。

政権交代後、首相だけは流動的に変わったようだが、国民がおそらく最も望んだものの一つ「官僚主導と既得権益の排除」は、いまだ変化の兆しすら見えず(既得権益がAからBに移っただけ)、といった感じがする。

「変化」は当然リスクを伴うが、現状維持でも行き詰まることが明らかな今、突き進むしかないように思う。
国会議員は「変化を阻む壁」を本気になって壊していってほしい。もちろん、新しい柱を立てていく作業も同時に進めなければならないという難しさはあると思うし、予定通りに進まないことのほうが多いだろう。ただ、そこに本気の姿勢が見て取れれば、国民は理解を示すはずだ。

せ、仙谷さん、大丈夫か…。

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「変化は悪化でも危険でもない」

とにかく日本は、過去を誇り現在に満足している。現在に満足する以上は、変化が嫌いになる。それが過去にあまり偉い誇りを持たぬ、現在にも満足せぬ、すなわち変化を望むということであれば、将来に向かって進歩発達が行なわれるのであるが、過去を誇り、現在に満足する、すなわち変化を嫌う以上は、将来に向かって進歩発達を期することが出来ない。

元来日本は変化ということが嫌いな国である。変化が嫌いになるということを他の語で言えば、いわゆる因循姑息であって、何でもかんでも現在を維持しようということになる、そういう病が起こります。

現在の日本の国民が、この病が非常に強くなっている証拠には、変化に対してはすぐ悪の字を使います。すぐに悪化という。…

…あらゆるものが変化するのを悪化するというのは、変化が嫌いになった証拠である。がしかし国の勢いが非常に旺盛であって、しきりに進歩を求めているときは、この変化を非常に歓迎いたします。すなわち第一維新の始めにおいては、二百五十年間も続いた徳川幕府を一撃の下に倒しても、それを決して悪化とは考えなかった。のみならず各藩の大名を廃してしまって、彼らが持っていた政権を取り上げて、しかして足軽等がそれに変わって政治を執るようになった。爵位のごときも、もとの主人よりかえって足軽の方が上席になったが、これらは非常な変化であるが、別にこれを悪化ともいわなかった。…

…とにかく今日いわゆる悪化というものの実質を調べて御覧なさい。中には悪化もある。しかし大体は進化である。すべての変化は必ず進歩である、進歩はみな変化である。それを変化はみな悪化というならば、進歩が出来ないことに決まっている。

以上、演説「第二維新への飛躍」(1925年・大正14年)より

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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