仙谷官房長官の「恫喝」発言―もう一つの問題

去る10月15日の参院予算委員会の一幕。

官僚の天下り問題について、政府参考人として答弁した古賀茂明氏(経済産業省の官僚。昨年12月まで国家公務員制度改革推進本部事務局の審議官だった)に対し、仙谷官房長官は「将来を傷付けることになる。残念だ」と「恫喝」とも取れる発言をした。

実際の映像を見ると、「恫喝とも取れる」ではなく、まぎれもない「恫喝」だ。
人事にも絶大な影響力をもつ経営者が、経営の一部に苦言を呈した部下に対し「もう君の将来はないぞ」…。

その後の審議は中断し、委員会は紛糾。今日まで「仙谷氏・恫喝」への批判が続いている。

この「恫喝」への批判は、なされて然るべきだろう。
しかし、そこにはもう一つ重大な問題が孕んでいるように思う。

今回の古賀氏の発言要旨は、以下のようなものだ。

現在、政府が進める、国家公務員の独立行政法人や民間企業への「現役出向」について、「不透明な癒着は、公務員の身分のまま行ったところで全く同じことが起きる可能性があるので問題だ」。

つまり、今のままでは「官僚の天下り(から生じる弊害)」は無くなりませんよ、という勇気ある内部告発とも取れる発言だ。

本来なら、「なるほど、そうだったのか。よく言ってくれた」というのが、民主党政権の立場ではないだろうか。
そうした官僚内部の声を真摯に汲み取り、「脱官僚・天下り根絶」に向けて実りある改革を断行していくのが現政権の使命ではないのか。

今回の一件。
問題を単に、仙谷氏の「不適切発言」とか「開き直り・傲慢キャラ」とかに収斂させてはならない気がする。
民主党政権の「改革姿勢が本物かどうか」が問われているのではないだろうか。

↓クリックをお願いします
にほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
**********************

【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード