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「憲政の本義」―尾崎咢堂言行録(36)

「依存から自立へ」―古くて新しいテーマだ。

「古く」とは、尾崎の活躍した明治・大正時代から問われ続けているという意味。
「新しい」とは、戦後から今日に至るまで、日本の民主政治が論じられる際、未だに取り上げられる、すなわち、実現していないという意味。

国民の意識の中に、「他人任せ・お上(行政)任せ」がある限り、民主政治は健全に機能しない。

以下は、尾崎が大正14年に著したものであるが、今一度、いや何度でも振り返ってみる意義のある内容だと思う。

「他人任せ・お上任せ」にせず、自らが当事者としての責任と覚悟を持って「引き受ける」政治。
民主主義は、決して「優しい」ものではなく、「厳しい」ものだつくづく思う。

ちなみに、本文最後に出てくる「自主人」は、民主政治を論じる際に尾崎がよく使う言葉。
その反対語として、尾崎は「奴隷」という言葉を使っている。

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「憲政の本義」

立憲政治下の人民が有する生命財産その他の権利自由に関する保証は、人民の承諾なしには決して変更せられない。すなわち自分の生命財産に関する法律は、自分たちの同意を得て初めて制定せられるのである。

かくのごとく自分達が同意した法律によって処罰せられ徴税せられるならば、何人にも不平も異議も屈辱も無いはずである。要するに、立憲政治の本質実態は、その人民は皆な生命財産の所有者であることを認め、これに対して法律制定に参与する権利を与えた一事にある。

すでに人民の生命財産に関する法律は人民自らこれを制定することが、立憲政治の本旨である以上、理想としては、全国民が一堂に会し、最大多数の幸福増進を眼目として法律を作るのが最善の方法であるに違いない。しかしながら、全国六千万の人民を一堂に会することは到底不可能である。よって全国から一定数の総代を選出し、この総代が一堂に会議し、全国民に代わって万般の法律を議定する代議政治が生まれた。

この立法部で議定し、天皇の御裁可を得た法律を運用して国利民福の増進を図るのが、行政部の役目で、この法律に背いて他人の権利を侵害しもしくは国家社会の安寧秩序を紊乱したものを処罰し、または不法に権利を侵害せられたものを保護し、奪われたる権利を回復するために司法部がある。

立法・行政・司法の三部は、形は違ってもみな国民各自の生命財産その他権利自由を保障し、かつその発展向上を期するための機関に他ならない。したがって生命財産の持ち主たるものは、この三部の権限ないし関係を一通り理解しなければ、憲政の本旨を体得して、自主人の権利義務を完全に履行することは出来ない。


以上『政治読本』(1925年・大正14年)より


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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
**********************

【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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