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「世界は一つ:有機体的国際関係」―尾崎咢堂言行録(37)

尾崎行雄は、常に世界的視野で物事をとらえていた。

日本一国のみの平和・繁栄などあり得ず、あくまで「世界の平和があってこそ日本の平和がある」という考えを持っていた。

彼が晩年構想した「世界連邦」も、国家間の戦争・武力衝突を防ぎ、世界全体の平和と共生を導くための枠組みとして考究されたものである。

以下は、尾崎の「世界のとらえ方」である。「有機体的国際関係」の持つ意味を、今一度、噛みしめてみたい。

「世界の中の日本」―。共に生き、生かされているという発想は、娘の相馬雪香にも受け継がれた。

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「世界は一つ:有機体的国際関係」

経済や文化の関係が密接になり、無電や飛行機の発明で地球がせばめられて、国と国との関係が一つの有機体的組織にまで進んでくると、国家間のもめごとをも、腕力(戦争)に訴えず、国際裁判の判決によって解決しようという考え方は、近代戦争のものすごい惨害を経験した人間の胸に、当然わいてこねばならぬ思想である。

有機体的国際関係というのは、例えば植物だと北の枝を切れば南の枝がよく伸びるというようなこともあるが、人間のような高等動物になれば、右の手を切れば左の手がよけいに発育するというようなことはない。それどころか、小指の先を一寸切っても、からだ全体がその痛さと不便を感じる。なぜか。植物はまだ完全な有機体でないが、人間のからだは立派な有機体であるからである。

これを国際関係についてみれば、昔の国際関係は他国を侵略して自国の繁栄をはかること、あたかも北の枝を切って南の枝が栄えるという植物程度であったが、第一次ヨーロッパ戦争の経験によれば、勝ってもいっこう得にならず、おまけに負かしたドイツの養生を助けてやることが、勝ったほうのためでもあるというような珍妙の現象を呈した。これは、いつの間にか国と国との関係が、有機体的状態に進んでおったからである。そして今度の戦争(第二次世界大戦)の結果は、一層明白に、国際関係の有機体化を証明している。

この二回の苦い経験にこりて、世界各国は必ず今度こそ、真剣に戦争防止の方法として、権威ある国際裁判をつくることに努力し且つ成功するであろう。


以上『民主政治読本』(1947年・昭和22年)より


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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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