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「公党変じて私党と為り」

16日の解散から今日で2週間が経ちました。

解散直後は確か16党だったでしょうか。その後、14党、13党・・・「M&A」で数を減らしつつ、衆院選の公示4日前の今日現在は11党でしょうか・・・(間違ってたらすいません)。まだ今後も動きがあるかもしれません。

よく「小党乱立」などと批判の声がありますが、たとえ少数党でも、明確な理念と、それに基づく「体系的かつ実現可能な政策パッケージ」をもち、組織運営体制がしっかりとしていれば、立派な政党と言えるでしょう。

他方、いくら「ひとまとまり」になって数だけ確保しても、理念や政策が「急ごしらえ」で、特定分野に特化した政策しか打ち出していない、あるいは単に○○反対!といったデモの垂れ幕のような政策(?)しか掲げていないようなところは、果たして政党と言えるでしょうか。

選挙を目前に、いくつかの政党が大同小異で一つになっていくことは、当選を目指す側からすれば合理的な行動と言えるかもしれません。それがすべて悪いと言うつもりはありませんが、いくら当選しても「同床異夢」では、「いつか来た道」です。

かつて憲政の神と呼ばれた尾崎行雄は、立憲主義に基づく「真の政党政治」を実現させるべく尽力した政治家です。
今さら「真の政党とは」などとキレイ事を言うつもりはないのですが、「まあ現実はこんなもんだ」と有権者が開き直ってしまうと、政党も政治家も進歩がないような気もするので、やはり今一度、そうした本質を見つめ直していくことも必要かなと思いつつ、以下に、尾崎行雄の政党観(その一部)を掲載します。

政党・政策を厳しく見極め、評価判断する有権者の姿勢が、より良い政党・政策を育てていくような循環が必要だと思います。

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「公党変じて私党と為り」

我が政党の現状をもって、三十六、七年以前の創業時代に比すれば、その組織、訓練、節制、及び勢力において、ほとんど隔世の観あり。しかれどもなおこれをもって満足すべきにあらず。今二、三の欠点を挙げれば、

(一)重きを主義政見に置かざること
(二)歴史的及び感情的色彩濃厚に過ぎること
(三)党派的競争のために、動もすれば本来の目的を遺忘すること
(四)党派として正義の観念に乏しきこと

余は一生の心血を政党のために注ぎつくし、これを愛する極めて深厚なるが故に、備わらんことを政党に求めて、この苦口の忠言をなすのみ。東洋には、古来朋党的思想ありといえども、公党的思想なし。彼の政党なるものは、国家の公事をもってその唯一の目的となし、その主張を実行せんがために団結する者なり。故にその間すこしも私情を挿むを許さずといえども、ひとたびこれを東洋に移植すれば、たちまち朋党的色彩を帯び、動もすればすなわち党利を先にして国利を後にするに至る。

ただ主義政見に基づきて離合集散すべき政党員も、ただただ因縁情実に因って離合集散するに至り、その首領と一般党員との関係は、あたかも封建君主と家の子郎党、または博徒社会における親分子分の関係と其の趣を同じにするに至る。

たまたま主義政見のために離合する者あれば、世人これを罵って変節漢となす。彼等は、政党の節操はその主義政見に対して守るべきものにして、その首領若しくは役員に対して、守るべきものにあらざることを解するあたわざるなり。けだし封建君主もしくは博徒間における親分子分の関係を律する所の思想は、人をして正邪曲直を問わず、この思想をもって政党を訓練運用す、公党変じて私党と為り、主義政見を度外視して、ただ党勢の拡張をこれ図るに至るは、すこしも怪しむに足らざるなり。

1917年(大正6年)『立憲勤王論』より

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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