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「誰のための選挙か」―尾崎行雄(咢堂)言行録(1)

憲政の神と呼ばれた政治家・尾崎行雄(1858-1954)。

尾崎は、明治・大正・昭和にわたる95年の生涯を通じ、多くの著作・言説を遺した。
その内容は、国内の政治・経済・社会はもとより、世界の潮流、国家観、人生哲学まで多岐に及ぶ。

尾崎は、ジャーナリストであり、政治家であり、そして思想家であった。

尾崎行雄記念財団には、「尾崎咢堂全集」全12巻が保管されている。同財団発行の月刊誌『世界と議会』の巻頭には、毎回、その全集から少しずつ尾崎の言葉を抜粋し、「咢堂言行録」として掲載している。

このブログでも、尾崎の言葉を少しずつ紹介したいと思う。なるべく余計な解説はつけない。解説などなくとも十分理解されるものと思う。

ただ一つ、注目してほしいのは、この言葉が書かれた「時代・年代」だ。どんなに新しいものでも、50年は遡る。古くは、120、130年前に書かれたものもある。

しかし、それらは、驚くほど今に通じる。いや、むしろ今だからこそ、光をあてるべき内容のようにも思える。

ぜひ、触れてみてもらいたい。
――――――――――――――――――――

誰のための選挙か

…生命財産その他の権利自由の持ち主であることを自覚した人間は、自分たちの仲間から代表を選び、その代表が作った法律の枠によって、厳重に政府を監督し、あくまで自分たちの権利自由を守りとおさなければ承知しない気になって、代表を選ぶ権利を、即ち選挙権を要求して、とうとうこれを獲得したのである。

立憲政治の国を一名法治国というぐらいで、政治は一から十まで、法律に基づいて行なわれる。従って、国民生活の幸不幸は、まったく法律の出来具合如何で決まる。もし、立法府が、国民の身体に関する権利や自由を束縛したり、不当不公平な税金をかけるような法律を作れば、国民のこうむる迷惑はけだし甚大であろう。そして如何なる場合にも、絶対に国民を裏切ることのない法律制定者(立法府)をつくるか否か決する力は、一票の選挙権である。この一票こそ、人間の生命財産その他の権利自由を確保する最後唯一の自衛権であることを知らなければならない。

…それほど大切な選挙権をどう使えばいいのか、投票は誰のためにするのであるか、自分の不利益になるような法律を作らせない代表者を選ぶために使わねばならぬ。自分自身のためにする投票でなければならぬことは、もう言わずして明らかなはずだが、わが国の有権者のうちには、今でも選挙は候補者のためにするものと心得ている人がかなり沢山あるようだ。

候補者のための選挙だと思えばこそ、頼まれたから、金をくれたから、義理が有るから入れてやるという気にもなる。もし選挙は自分の生命財産その他の権利自由を守るための番人を選ぶことだと悟れば、どんな馬鹿でも、頼まれたから入れるのではない、こちらから頼んで出てもらうのだ、候補者から金を貰うどころか、選挙の入費は頼む側の有権者の方で持ち寄るぐらいせねば、信用のおける番人は出てくれないくらいのことは気がつきそうなものである。

以上、『民主政治読本』(1947年)より抜粋

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
**********************

【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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