尾崎財団創立60周年―原点を見つめ直して

今年、尾崎行雄記念財団は創立60周年を迎えます。

憲政の父と呼ばれた政治家、尾崎行雄(咢堂)が逝去したのは1954年。享年95歳でした。
その年の10月、衆議院葬が築地本願寺で行われたあと、ある会合で集まった国会議員の間で「尾崎先生ならば、超党派でまとまるから、記念館を建てたらどうだろう」という話になりました。

記念館建設の費用については、全国から寄付を募ろうということになりました。当時、尾崎の精神を伝えるための財団をつくろうという動きもあったため、寄付集めの役割を担う形で尾崎行雄記念財団が設立されました。1956年のことです。

その後、国会議員のみならず、尾崎の選挙区であった三重県を筆頭に、多くの県市町村議会議員や、全国の中学・高校から青少年の思いの詰まった寄付が寄せられ、また、天皇陛下の御下賜金も賜りながら、1960年に「尾崎記念会館」(現・憲政記念館)が完成しました。

寄付集めの際、全国の学校を回ったのは、当時、財団副会長を務めていた元衆議院議長・松岡駒吉氏でした。松岡氏は日本社会党の議員で、初の社会主義政党出身の議長でした。
また、当時、経団連副会長の植村甲午郎氏は「尾崎さんには、財界は世話をしてもらったことがなく、むしろしばしば攻撃された。しかしあのような全国民の幸福を考え、独裁政治を排して今日の民主政治の礎を築いた人にこそ感謝を捧げるべきで、財界も進んで協力すべきだ」と述べ、経済団体を動かしました。
さらに、記念館の完成に向けて、最後の大口寄付をしたのは、笹川良一氏でした。実は笹川氏は、1932年、尾崎がテオドラ夫人の遺骨を抱いてロンドンから帰国し、神戸港に上陸した際、「国賊・尾崎を殺せ!」という右翼や暴徒の襲撃から、尾崎を守った人物です。

以後、今日までの尾崎財団の歩みは、まさに党派を超えて、全国民によって支えられ、守られてきた60年です。

尾崎の精神を伝え、民主政治の更なる発展と世界平和実現への寄与を目指す――創立当時の人々の思い、その原点を改めて見つめ直し、100周年に向けての第一歩を踏み出したいと思います。

本年も、引き続き、皆様からの温かいご支援・ご協力を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。


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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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