スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「二大党対立の門出」―尾崎咢堂言行録(5)

前回「政権交代と二大政党制」という記事を書いた。
尾崎行雄は、真の政党政治の実現に力を注いだが、その尾崎の政党観の中で、「二大政党」について触れた箇所があるので、以下に紹介する。

二大政党制の是非については、政治学や文化論的視点から論じられることが多いが、以下は、政治家・政党人として実際に活動する中で尾崎自身が感じたものだ。
皆さんはどう思われるだろうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「二大党対立の門出」

…窮屈千萬な主義本領を、標榜してやるのでは駄目だ。…複雑にして転変不測なる政界において、あらかじめ主義本領を定めて、いちいちこれに適応せしめていくことは、到底不可能である。
…憲政運用のよろしきを得ると否とは、活きた人そのものにあって、死んだ文学の上にはないのである。やかましい主義綱領を定めておかなくても、二大党対立にでもなれば、実際の問題に逢着(ほうちゃく)して、たちまちにして活きた主義綱領が定まってくる。活きた主義綱領が、死んだ主義綱領に優ることは、殆んど論をまたない。

 二大党対立になると、一方の是とする所は、他方必ずこれを否とし、従って常に公平な意見が行なわれ難いといって難ずる者もあるが、間違っている。二大党対立になれば、互に短所を睨み合っているから、敵党に少しでも欠点が見えると、それが自党も、随分やりかねないことであっても、得たり賢しと、これを攻撃する。これがために朝党(=与党)も大に警戒し、善政を施くに汲々(きゅうきゅう)とするし、その時の野党が、朝党に変じた場合にも、前に攻撃した廉があるから、やりたくても、その種の攻撃の材料になるような施政は、努めてこれを避ける。この辺から段々と善政が敷かれる様になる。これに反して小党分立であると、他を攻撃しても、多くの効果が現れず、余り攻撃ばえがせぬから、大抵な欠点があっても、相見互(あいみたがい)に見逃しておくので、改めることを知らず、悪事が甚だ行なわれやすい。

日本には政治的良慣習がないから、二大党対立の効果を収めることは、おぼつかないという説あるが我輩は与(くみ)せぬ。…日本人は、すこぶる移り易く、物事に手っ取り早い国民であるから、二大党対立で、英国流の憲法政治をやることも、左程難事ではあるまい。ただ成り易き者は敗れ易いから、一定不動とはいくまいが、成っては敗れ、成っては敗れしているうちに、二大党対立の慣習が浸み込んで、ついには純粋の二大党となり、憲政の運用これに妙を極むるに至ると思う。

以上、「新政党観:二大党対立の門出」(1911年・明治44年)より抜粋

↓クリックをお願いします
にほんブログ村 歴史ブログ 偉人・歴史上の人物へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
**********************

【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。