尾崎が詠んだ「憂国の歌」

尾崎行雄が詠んだ歌は一万首にのぼると言われています。
妻や娘への愛情、季節の移り変わりや自然の美しさ、亡き友への追慕など、様々な歌を詠んでいます。

中でも、日本の政治・国のあり方に対する思いを詠んだ歌は、数も多く、「尾崎らしさ」がよく表れています。

権力に阿ることなく、弾圧にも屈せず、自らの信念を貫いた尾崎。
ゆえに、しばしば暴漢に襲われ、命を狙われた尾崎。
そんな尾崎ならではの「憂国の歌」。

以下三首は、1924年(大正13年)12月19日夜、尾崎を刺すため、尾崎宅に侵入しようとした青年が捕まった際に詠んだ歌です。

■「老い朽ちて世に惜しからぬ身とならば我を刺すべき人もあらじな」
■「國のため我を刺さんと人ねらふ活き甲斐のある生命なるべし」
■「國のため命惜しまぬ誠あらば我を刺すてふ人も貴し」

また、同月25日、今度は暴徒13名が尾崎宅に乱入した際に詠んだ歌です。

■「大御代につくす誠はひとしきを知らでや人の我に仇する」

次の六首は、1937年(昭和12年)第70議会で行った、いわゆる「軍部攻撃演説」の際に懐に忍ばせた辞世の句です。

■「正成が陣にのぞめる心もて我は立つなり演壇の上」
■「大君も聞こしめせかし命にも代えて今日なす我言あげを」
■「身をすてて國救はんと思ふにぞ老も忘れて演壇に立つ」
■「長らへし甲斐ぞありける大君の御楯となりて命すてんは」
■「國のため命すてんと定めしは幾度なりし一人指折る」
■「一つよりあらぬ命を幾たびか棄てて尚活く恵まれし身か」

ちなみに後日、次のような歌も詠んでいます。

■「都度々々に辞世よみしが尚死なず恵まれし身か呪われし身か」

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誰が正しいかではなく、何が正しいか――。
自らの利害得失を顧みず、国のため、国民のために、文字通り命を賭して行動した政治家・尾崎行雄。
その信念と生き方は、いまを生きる私たち有権者・政治家に多くの示唆を与えてくれます。


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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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