ポピュリズムに抗った尾崎行雄

新年明けましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
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昨年来、イギリスのEU離脱決定、フランスのルペン党首率いる国民戦線の躍進、そしてアメリカのトランプ次期大統領の誕生など、「世界的なポピュリズム台頭」への懸念が高まっています。

ポピュリズムは、政治・社会の現状に不満や怒りを持つ大衆が立ち上がり、既存の支配体制を転換させる「改革のエネルギー」になることもあります。半面、大衆の不安・怒り・快楽といった感情を煽る政治家とそれを支持する大衆によって、目先の利益や「鬱憤晴らし」のための政治・政策が行われる、いわゆる「衆愚政治」をもたらすこともあります。

いずれの場合も、選挙・政党・議会といった民主的制度の運用によって行われるため、「民主政治=ポピュリズム=衆愚政治」といった批判がなされることもしばしばあります。

尾崎行雄は、民主政治には国民の「批判精神」が欠かせないと言います。それは、時の政府・政治家の言葉を鵜呑みにしたり、目先の利益や一時の感情にとらわれたりしない政治的態度を意味します。尾崎は、民主政治が衆愚政治に陥らないために、この批判精神の大切さを国民に対して厳しく訴え続けました。

国民の政治意識・態度の涵養によって「真の民主政治」を実現しようとした尾崎の取り組みは、ポピュリズムに抗うためのものだったとも言えます。尾崎は、時の権力に迎合せず、同時に、付和雷同する大衆に阿ることもありませんでした。

世界情勢と国内情勢の現実を見据え、目先の利益や感情にとらわれず、責任ある判断・行動をすることを、政府・政治家のみならず、国民の側にも厳しく求めたのです。

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昨年の暮れ、朝日新聞の取材を受け、上記のようなお話をさせて頂きました。
1月5日の朝日新聞の社説「未来への責任―逃げぬ政治で国民合意を」の冒頭部分で、尾崎行雄に触れた私の言葉が掲載されています。この社説では、超高齢社会における社会保障のあり方と必要な財源について、(たとえそれが国民に厳しい選択を迫るものであったとしても)先送りせず、国民としっかりと対話をし、課題を共有しながら、責任ある政治を行うことを現政権に求めています。その内容には概ね賛同しますが、同時に、政治家の「甘言」や「人気取りの政策」に惑わされない(ポピュリズムに陥らないための)国民の側の重要性・責任についても、もう少し強調して頂ければと思った次第です。



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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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