衆院解散―民主・鳩山氏「楽観は禁物」は本心か

昨日(7月21日)、衆院解散。
「8月18日公示―30日投票」が正式に決まった。

ここ十日前後に実施された世論調査の結果は以下のとおり。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【時事通信社が7月9~12日に実施した世論調査の結果】
■政党支持率=民主18.6%(3.1ポイント増)、自民15.1%(3.3ポイント減)。 
■首相にふさわしい政治家=鳩山氏34.3%(0.3ポイント減)、麻生氏15.1%(8.8ポイント減)。
■衆院選比例代表の投票先=民主が37.4%(3.5ポイント増)、自民19.5%(5.3ポイント減)。 

【読売新聞社が13日~14日に実施した世論調査の結果】
■政党支持率=民主30・1%(前回28・6%)、自民24・8%(前回25・5%)
■首相にふさわしい政治家=鳩山氏45%(前回41%)、麻生氏25%(前回24%)。

【毎日新聞社が18日~19日に実施した世論調査の結果】
■政党支持率=民主36%(2ポイント増)、自民18%(2ポイント減)。
■首相にふさわしい政治家=鳩山氏28%(4ポイント減)、麻生氏11%(4ポイント減)。
■衆院選比例代表の投票先=民主45%(17ポイント増)、自民18%(2ポイント減)。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これだけを見ると、「鳩山民主党」の圧倒的有利がうかがえる。都議選(7月12日)で圧勝した後も、民主の勢いは止まっていないようだ。それに比べ、「麻生自民党」はポイントを減らし続けている。ここ数日の党内の混乱も少なからず影響しているのだろう。

しかし、これはあくまで、「自民か民主か」「麻生氏が鳩山氏か」という比較視座に基づくもの。注目すべきは、「支持政党なし」と「麻生氏でも鳩山氏でもない」とする割合が、半数か、それ以上にのぼっていることだ。その層が選挙の行方を左右すると言っても過言ではない。

鳩山氏は、圧勝した都議選の直後、「勝って兜の緒を締めよ」と言い、昨日も「楽観だけは禁物」と神妙な面持ちで語った。おそらくこれは「ポーズ」ではない。本心だろう。つまり、投票までの40日間、民主党は有権者の厳しい目にさらされ、ともすれば批判が拡大し、当初の予想ほど議席が伸びない可能性もあるのではないか。

かつて「改革派 vs 抵抗勢力」を巧みに演出し、「小泉劇場」で「お茶の間」の人気を獲得、郵政解散で一気に議席を伸ばした小泉氏。当時の国民の多くは、この小泉劇場にすっかり酔わされていたように思える。その時、果たして、小泉氏の掲げる理念・国家ビジョンや優先政策を見ていた国民はどのくらいいただろうか。

もはや有権者は、「轍を踏む」ようなことはない。良くも悪くも「小泉劇場」を経たことで、以前よりもはるかに目が肥えている。スローガン、ワンフレーズ、イメージ、ムード・・・そんなもので評価を下すほど愚かではない。

特に、現在の民主党支持層や「支持政党なし」層は、かなり厳しい目を持っていると僕は思う。マニフェストに示される国家像、政策内容とその実現可能性(財源的根拠等)、プライオリティ(政策優先順位)を厳しくチェックする目だ。民主党は、それに真摯に応えていかなければならないだろう。

それに加え、自民・公明両党による「鳩山献金問題」への追及も厳しさを増すことが予想される。鳩山氏は、たとえ政権交代したとしても、この問題から逃げるべきではない。もちろん同じことが自民党にも言える。自党の献金問題を棚上げにしたまま、鳩山献金問題を「鬼の首をとった」ように叫ぶ姿を、果たして有権者はどのように見ているだろうか。

いずれにせよ、自民・民主ともに、イメージ先行や瑣末な追及による不毛戦には陥らないでほしい。マニフェストによる政策論争・競争が活性化され、有権者の厳しい評価判断のもとで政権交代が成し遂げられるなら、日本の民主政治は一皮向けて、新たなステージに入るかもしれない。

↓クリックをお願いします
にほんブログ村 政治ブログ 政治評論へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
**********************

【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
リンク
検索フォーム
リンク
RSSリンクの表示
QRコード
QRコード