行政刷新会議・事業仕分け「全面公開」の意義

今月11日に始まった「事業仕分け」が、昨日終了した。

「脱官僚・政治主導」で無駄と既得権益の排除を目指す鳩山政権の目玉の一つだ。国民からも注目を浴び、その様子は連日、各種メディアで報じられた。

世論調査の結果では、国民の大半は、この事業仕分けを支持している。さらに自民党議員の中にも、この作業を「うらやましい」「われわれもすべきだった」と赤裸々に語る者がいる。

確かに、この事業仕分けは、これまでのような、既得権益を前提に閉ざされた中で進められた予算編成過程に一石を投じるものであることは間違いない。

しかし、批判もある。それは概ね、「財務省主導」「仕分け基準の不明確さ」「検証時間の不十分さ」「効果の不透明さ」といったものだ。それに対して肯定派の中には「やらないよりは、ずっといい」といった論調も見受けられる。

事業仕分けの趣旨・取り組み自体は、もはや否定できるものではない。ただ、初めての試みの中で見えてきた問題点もある。政権与党としては、「やらないよりは・・・」という肯定派の論調に甘えることはゆるされない。各種批判に対し反論も可能だと思うが、むしろ、それら批判を改善点として捉え、今後に生かしていく姿勢が求められるのではないだろうか。

ところで、この事業仕分けの最大の特徴は、「全面公開」にしたという点だ。期間中、インターネットで生中継され、僕も何度かそれを視聴した。テレビや新聞では「公開処刑」といったフレーズが使われ、ニュースでは「某議員の容赦ない斬り込みに言葉を詰まらせる(または激昂する)官僚」の映像が繰り返し流されたが、ほとんどの場合、非常に地味な質疑が淡々と行なわれていた印象を持つ。(たまたま見逃したのだろうか・・・)

いずれにせよ、全面公開・生中継されることで「仕分け人」と「官僚」双方の言い分を何の脚色もなく(休憩時間の雑談まで)視聴できる意義は大きい。そこからは、単に、官僚の驚くほどいい加減な屁理屈だけでなく、仕分け人の認識の甘さや稚拙さも伝わってくる。

両者のやりとりが白日の下に晒され続けることで、官僚は、これまでのような内輪の論理での事業設定や馴れ合い交渉が通用しなくなることを悟り、仕分け人は、さらに緊張感を高め、洗練されていくだろう。そうでなければならない。

昨日、行政刷新担当相は、この事業仕分けを2011年度も実施する意向を示した。
事業仕分けの意義は、全面公開とその継続にある。「一夜限りのパフォーマンス」では意味がないのだ。

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石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
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