「協調か孤立か、門戸開放か門戸閉鎖か」―尾崎咢堂言行録(14)

国家至上主義に基づき、自国の狭い利益のみを野心的に追求すれば、やがて日本は滅びる。
そう警鐘を鳴らした尾崎行雄。

日本を救う唯一の道は、世界に広く門戸を開き、世界と協調しながら、「愛され、信頼され、尊敬される国」になることだと説き続けた。

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「協調か孤立か、門戸開放か門戸閉鎖か」

世界の土地と資源は、全人類のために利用せらるべきである。この地球は、独りアジア民族のために創造されたものでないと同じく、ヨーロッパ民族のためにつくられたものでもない。人類はすでにこの真理を理解し始めており、時代の進歩するに従って、よりよくこれを理解するようになるであろう。

この世界的認識に対するおもな障害は、各国が、富と権力において他国を凌(しの)がんとする狭隘(きょうあい)な野心をもつことである。この野心が各国を支配しているかぎり、世界的平等への進歩は行なわれない。…

孤立主義や門戸閉鎖主義は、広大な領土と巨大な資源を有する英国や米国、或いはソ連や中国などには可能であるが、これらの国々とまるでちがった環境にある日本には適さない。日本は、富と人との世界的交流をはかり、『門戸開放政策』の先導者になる方が有利である。

この目的を達するには、日本に高尚にして神聖な精神を注入しなければならぬ。かくして日本は、弱小民族を援助することによって、偉大なる正義への道を歩むこととなろう。

これこそ世界を救済するのみならず、日本を救う道である。日本の運命は、日本がこの方向をとることに成功するか否かにかかっている。現在の日本は、生死の関頭に立っている。日本は小国の先頭に立って、正義への道を進まんとするか。はたまた大国の進みつつある狭い道にふみこんで、彼等とその運命を共にせんとするか。

以上、『墓標に代えて』(1932年・昭和7年)より抜粋

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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