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「世界精神を養う教育」―尾崎咢堂言行録(15)

「国づくり」の根本は「人づくり」である。そこに欠かせないのが教育だ。

尾崎行雄は、教育を最重視した。その教育とは、「国家・民族」を殊更に強調し、独り善がりな国家観・歴史観を植え付けることではなく、世界に通用する、広い視野と合理主義の精神を身に付けることだ。

同時に尾崎は、権力に無批判に従う「お上意識」、封建主義を批判した。
いくら民主的制度が整っても、その精神が身に付かなければ(封建的精神のままでは)、制度は健全に機能しない。
尾崎は、その制度と精神の食い違いを無くすための政治教育の必要性も説き続けた。

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「世界精神を養う教育」

…人間は頭の中に、無理に思想感情を煽動して国の境を造り、おれはどこの国のものである、おれはどこの民族であるといって、衝突の種まきを一生懸命にしておる。これが禍の根本である。そういうことは、大陸に住んでおる民族にも余程あるが、殊に日本のごとく島国に住んでおるものにとっては隣の国は大分遠い、遥かにその山を見ることもできないくらいに孤立しておるがために、自然に鎖国攘夷的になる。

…故に島国に住んでいるところの日本においては、教育上心を広くして、人種や国の境を説かないように特別に力を用いなければならぬはずである。しかるに学校では、反対に国民教育などと鎖国的になるような教育を施し、事実無根な神話的歴史などを根拠にして、この国は他の国とは大分違うものででもあるように、子供の頭に吹き込んでいたということはもっての外の誤りであった。

それを真先に改めなければならぬ。吹き込まないでも孤立的になるべき運命をもっているのであるから、どうしても他の大陸の人間よりも、その点においては国際的の思想感情を作るように特別に注意しなければならぬが、その注意が足りない。

…どうしても人間を作り代えなければ駄目である。…どうしてもものを虚心平気に考えることのできる人間を作らねばならぬが、今日はそれができていない。結局、根本は教育であり、その教育は国際教育を施す以外にないのである。

しからば、その国際教育の発足する根本はどこかといえば、それは世界精神であって、すべての教育の根源はここにある。虚偽や迷信による教育では駄目である。どこまでも道理の通った物差し、そろばん、はかり、ます、これを根拠とした、いわゆる科学的合理主義の精神、それが世界精神なのである。

以上、『わが遺言』(1951年・昭和26年)より抜粋

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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