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「本当の人間をつくる教育」―尾崎咢堂言行録(17)

尾崎は戦後、自由と民主主義を保障した日本国憲法と、それに基づく教育に大いに期待を寄せた。

しかし同時に、自由をはき違え、民主主義を都合よく解釈してしまうことへ警鐘を鳴らした。

自由と民主主義は、その原理において、個人が何でも好き勝手にすることを許すものでもなければ、政治・社会への無関心を受け入れるものでもない。

今、戦後の民主教育を批判する者がいる。

尾崎が生きていれば、おそらく、これまでなされてきた戦後の民主教育を批判するだろう。

ただそれは、民主主義への批判ではなく、「民主主義を掲げながらも、本来の民主主義教育がなされてこなかったこと」への批判であるに違いない。

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「本当の人間をつくる教育」

わが国もようやく民主国となり、憲法も改正されることになって、われわれも真の自由を与えられて、奴隷ではなくなったのである。これは大変結構なことであって、国民諸君もよくこのことを考えてみなければならない。

…諸君も、生まれおちてから、いろいろだまされてきた。真実だと信じ切っていたのが嘘だとわかって、今度は何もかも信じられぬようになってしまったのであろう。それも無理はない。だが、こういうことは真実であると考えられるだろう。すなわち、諸君の生命や財産は誰のものでもなく、自分のものであると。それと同じように、諸君が学校で教育を受けるのも、自分のためであるのだ。自分を人間らしい人間、鳥やけだものと違った、本当の人間にするためであるのだ。

自分のためといっても、何もかも自分さえよければよい、人の迷惑などかまわないというのではいけない。それではまた鳥やけだものになってしまう。自分を本当の人間にし、人間らしい生活をしようというのには、人にもそうさせなければだめだ。

今、さかんに自由ということがいわれているが、自由もその通りで、人の自由を尊重しなければ、自分の自由は失われる。自由はわがままとは違う。てんで勝手にわがままを通そうとすれば、それこそめちゃくちゃになって、自由どころではなくなってしまう。だからお互いの自由を尊重し合うため、法律や義務やその他のきまりを守らねばならぬのだ。

英国人は、非常に自由を重んずる国民であるが、またよく法律を守る国民でもある。どうしたらよく法律を守れるかと考える国民だ。日本人はどうしたらよく法律をくぐってうまいことができるかと、法律をくぐることを考える国民だといわれてきた。これは本当の人間をつくる教育が行なわれていなかったからである。

今、われわれは、奴隷から解放されて、自由のある独立した人間となったのであるが、果たして、皆本当の人間になり、人間としての魂をとりもどすことができたであろうか。これは非常に難しいことだ。そこで私は、これから、嘘のない、真実をもととした、本当の人間をつくる教育を受ける諸君に、望みをかけるのである。

以上、『わが遺言』(1951年・昭和26年)より抜粋

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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