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「鎖国的愛国心を捨てよ」―尾崎咢堂言行録(19)

愛国心とは何か。

時代により、また人によっても、その使われ方は様々だ。

日本はかつて、愛国心と軍国主義を結びつけ、国家国民を挙げて戦争に突き進んだ歴史がある。そのため、戦後の今も、愛国心という言葉自体に物騒なイメージを抱く人が少なくない。

歴史の教訓は生かすべきだ。しかし同時に、国と向き合い、政治への主体的参加を通じて国・社会のあり方に積極的に関与することを前提とした「民主国家としての日本」における愛国心とはどういうものか、今一度考え、捉え直す必要があるではないだろうか。少なくとも「タブー」にすべきではない。

尾崎はかつて、「愛国者」を名乗る輩から「国賊」と罵られ、何度も命を狙われた。

「世界から愛され、尊敬され、信頼される」国づくりを目指した尾崎。

国の未来を見据え、現状を憂うがゆえに、政府・権力と厳しく対峙し、時には世論・国民をも厳しく批判した尾崎こそ、真の愛国者といえるかもしれない。

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「鎖国的愛国心を捨てよ」

我が同胞中には、国家を以て、無上の高貴物と心得、これがために如何なる悪事をなしても差し支えないものの如く誤解しているものが多い。この類の人物は、どこの国にもあるが、我が国には特に多い。したがってこの無上の高貴物を愛する心は人生至貴至高の心情であって、これがためには正邪善悪を転倒しても差し支えない、と考えているものがある。

英国などにも「正邪を問わず国家のため」という言葉があるのみならず、いざといえばその通りに振舞うものがなお多い。古昔はそれでよかったが、文化が既に今日の程度にまで進めば、正邪を問わない愛国心は、却って亡国の手引となる事がある。

…道義観念を離れた愛国心、良心のない愛国者、それが今の世界において、国家の利益となり得るであろうか。却って結局国家の大損害となりはしまいか。虚心坦懐、以て国家のために講究すべきである。

道義観念を離れた愛国心は、自国本位の私利心であり排外思想であって、文化の低劣な民族の特有物である。古昔の如く世界が現在の百倍も千倍も広かったころは、その人民の愛国心が旺盛なれば、道義観念の有無に拘わらず、その国家は一時隆盛に赴いたが、今日の如く世界が古昔と比べものにならないほど狭小になり、その組織が全く変化した以上は、愛国心だけでは国家を隆盛ならしめることは出来ない。のみならず、無知無理解な鎖国的愛国心は、却って亡国心となることが多い。

…浅薄軽佻なる排外的意見を見聞し、直ちにこれに付和雷同するを以て愛国的行為と誤解している。

以上、『風雲閣閑話』(1938年・昭和13年)より抜粋

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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