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「立憲的家庭」―尾崎咢堂言行録(22)

尾崎いわく、立憲政治は「道理の政治」であるという。

道理の政治とは、恣意的権力や武力、多数の横暴を許さない政治。憲法のもとで、一人一人が自らの良心に基づき、何が正しいかを熟慮し、議論し、決めていく政治といえる。

そうした立憲主義の精神は、一朝一夕に出来上がるものではない。政治家になったからといってすぐに身に付くものでもない。

尾崎は、立憲的国家の基礎は「立憲的家庭」にあるという。

男尊女卑、封建的色彩の濃かった当時。尾崎は、家族という最も身近で基礎的な共同体の中で立憲主義の精神を培い、実践することの必要を説いた。

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「立憲的家庭」

正義の国家は、正義の家庭を基礎とし、立憲的国家は、立憲的家庭を基礎としなければならぬ。封建的家庭の上に、立憲的国家を建設するのは、砂上の楼閣に均しき危険事業である。…

立憲政体の設定以来、すでに三十六年余り経過したが、我が国現在の家庭には、未だ何らの変化も起こっていない。依然として弱肉強食的家庭である。強き男子は、弱き女子を虐待するをもってその基調とするところの家庭である。選挙人も、議員も、みなこの家庭に成長し、死に至るまでこの家庭に棲息するのである。「かくの如き非立憲的家庭に終始するものが、選挙条理に立ち、候補者となり、はたまた議員となって国会に出た時に、そこだけで立憲的動作を為し得べきはずがない」ということに気がついた。…

元来立憲政治は、道理の政治である。権力も、金力も、武力も、多数の力も、道理を離れて持ち得ることを許さないのが立憲政治の根本である。百万の軍隊といえども、憲法の前には慴伏せざるを得ないのが、立憲政治である。しかるに非立憲的家庭に成長し、現在そこに住居しているものは、道理に背いて、右らの力を使用したく思うのは、無理からぬ次第であろう。…

…真正の立憲国においては、多数の力も、道理に背いてこれを持ち得る事を許さない。もし多数党が、道理に背いて、少数党を厭伏するが如きことあれば、全国人民は、その仲間を非難攻撃する。横暴なる政党はたちまち衰微してしまう。ゆえにいかに大多数の議員を要していても、道理に背いて、これを持ち得ることは出来ない。したがって多数の横暴ということはあり得ないわけである。しかるに我が国では、多数の力はややもすれば横暴となって現れる。弱肉強食的家庭・非立憲的家庭に成長し、居住する人物が政界を占領している以上は、勢いそうならざるを得ないはずだ。…

…ゆえに真に立憲政治を円満に発達せしめようと思えば、まず家庭から改めていかなければならない。道理と人情を主にした家庭を組織せねばならぬ。

以上、『婦人読本』(1926年・大正15年)より

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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