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「新憲法の花―戦争放棄」―尾崎咢堂言行録(23)

昨日、5月3日は憲法記念日。
全国各地で様々な催しが開催された。

民主主義の実現と国際協調による平和の実現を求めた尾崎行雄は、日本国憲法の第2章「戦争の放棄」を「新憲法の花」と呼び、第3章「国民の権利及び義務」を「新憲法の実」と呼んだ。

尾崎は言うまでもなく、9条をはじめ、日本国憲法の制定を歓迎した。しかし、手放しで喜んだわけではない。その文言・内容が立派であるだけに、それを実践する覚悟の必要と厳しさを説いた。

日本国憲法を、アメリカの押し付け憲法だとして批判する改憲論者、9条を金科玉条として崇める護憲論者。いずれもイデオロギーを前面に出すことで「思考停止状態」に陥ってしまう。

急激に変化する世界情勢、求められる日本のあり方・将来像。そこでは、改憲・護憲イデオロギーを超えた様々な視点・議論が必要だろう。

施行63年を迎えた日本国憲法。
尾崎の言う「実践」をどう捉えるか…。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「新憲法の花―戦争放棄」

新憲法の花は、なんといっても、第二章の戦争放棄の大宣言であろう。

「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する。前項の目的を達成するため、陸海軍その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権はこれを認めない」(日本国憲法第二章第九条)

…私も多年の平和論者であるが、正直に言って、かくまでに徹底してはいなかった。私はこの原案の作成者と、この原案の冒頭に「日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を希求し」という文句を加えて、これを可決した議会に心から敬意を表する。

この条文の審議にあたり、「我が国だけが戦争を放棄しても、他国がこれに賛同しない限り、その実効は保障されぬではないか」という委員の質問に対し、政府は「この規定は、我が国が好戦国であるという世界の疑惑を除去する消極的効果と、国際連合自身も理想として掲げているところの、戦争は国際平和団体に対する犯罪であるとの精神を、我が国が率先して実現するという積極的効果がある。現在の我が国はまだ十分の発言権を持って、この後段の積極的理想を主張しうる段階には達していないが、必ずや、いつの日にか、世界の支持を受けるであろう」と答えたと報ぜられたが、この答えもまことに結構である。

ただ一言、老婆心を持って言っておきたいことは、この一片の文章を見ただけでは、我が国を好戦国であるとする世界の疑惑を取り除く事はできないであろうということである。このうえは、日本人の生活のあらゆる面において、我々が真の平和愛好者であることを、実践を通して証明しなければならぬ。

以上、『民主政治読本』(1947年・昭和22年)より

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プロフィール

石田尊昭

Author:石田尊昭
    尾崎行雄記念財団
    理事・事務局長
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【著書一覧】

石田尊昭
石田尊昭著『18歳からの投票心得10カ条』
(2016年)



尾崎行雄著/石田尊昭・高橋大輔編『人生の本舞台 復刻版』
(2014年)


民主政治読本 復刻版
尾崎行雄著/石田尊昭解説・編『民主政治読本』
(2013年)



田村重信編・石田尊昭・高橋大輔・高橋富代・小西孝実『尾崎行雄・咢堂塾 政治特別講座講義録』
(2013年)


石田尊昭 心の力
石田尊昭著『心の力』
(2011年)


50の言葉
石田尊昭著『平和活動家・相馬雪香さんの50の言葉』
(2009年)


咢堂言行録
石田尊昭/谷本晴樹著
『咢堂言行録 尾崎行雄の理念と言葉』
(2010年)


石田著作
相馬雪香・富田信男他編
石田尊昭(年譜編纂)
『咢堂 尾崎行雄』
(2000年)

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